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Warr Guitar



なれそめ
●そもそものなれそめは、大多数の方々がそうであるように、King Crimsonとの出会いである。前段階としてStickという楽器の存在を知り、なんとなく(というよりは、生来の新しもの好き、変なもの好きなのだが)手に入れてしまい、さあ困ったぞ、と。
 あまり世間には認めてもらえないが、いちおうまっとうなベース弾きのはしくれ。真剣に取り組む機会も、器用さもなかったので、結局手放すことに。
 そして、95年のCrimson来日公演にて、Trey Gunnが手にしていたWarr Guitarを目にすることになる。

どんな楽器なんだ?

●Trey GunnがStick弾きだということはすでに承知していたし、Stickがどんな楽器なのかもいちおう承知していたつもりだが、Warr Guitarに関しては、まったく情報がなかった。あろうことかStickの新型とだとばかり思っていた。
 あとになって、Stickとは似て非なるモノだということを知るのだが、いったいどこから入手すべきなのか皆目見当もつかず(先立つものもなかった)にしばらくして、所有欲も失せ、しばし変なベース弾きに戻る。
 で、どんな楽器なのか、というと、タッピング向きにカスタマイズされた多絃楽器ぐらいの感覚のほうが正解かと思う。
 ベースとギターよりも音域は広くなるので、使い方によっては、両方をカバーできるので、おいしいところ独り占めなんてことも可能。エフェクト駆使してキーボードの代わり、という手もあるかな……?
 実際の仕様等はWarr GuitarsのWebにてご確認を。

災難は突然

●バンド活動もいまや過去のもの。
 あれこれあったあげくに、減った楽器。
 しかし、やりたいという気持ちだけは、いまだにある。
 今年の春、Stickを購入したI楽器にWarr GuitarかStickが入るかどうか、きいてみる。
 見積もりはすぐさま出た。
 ぶっとびの\540,000なり。
 おまけに納期完全未定。
 金はなんとかなりそうだが、納期が未定とあっては、いまいちふんぎりがつかない。次第に熱は冷め、購入意欲は完全に失せる。
 そして十月……。
●ご無沙汰してしまっていた馴染みの楽器屋さんを訪ねた時、思い立って注文できるかどうか聞いてみる。
 輸入代理店もわかっていたので、それなら聞いてみてくれるというので、今度は気長に待ってみようかと、のんびり構えることに。
 その翌日、楽器屋さんから電話。
「いま、8本入荷してるって。どうする?」
 なんだ、それは?
 よくよく話を聞くと、楽器フェアの展示とかの絡みで、たまたま入荷していたらしいとのこと。
 手に入れるなら今しかない……。
 とりあえず、弾いてみたいなら借りてくれるというので、その手配をお願いして、頭の中で金策をはじめる。
 すでに購入は覚悟していた。

ファーストインプレッション

●「届いたよ」という電話に、楽器屋さんへ。
 自分で最初からオーダーしたわけじゃないので、どんな材を使ったものなのかすらわからないので、期待半分、不安半分。
 実は、この楽器を買うにあたって、楽器屋さんにちょっと苦労をかけてしまったようで(バックオーダーのある楽器な上に飛び込みの注文だったせいで、輸入代理店のほうでも困ったらしい)、非常に感謝してます。
 頼りになるのは、やはりツテか?
 電話で、店員さんが「チューニングがわからねえ」と言っていたので、ちょっとだけアドバイス。着くまでに最低限のセッティングはしておいてくれた。
 有り難い限り。
●さて、どうしたもんか?
 現物は、メイプル材のツーピースのボディにローズ指板のネック。
 手にすると、いい感じの重さ。
 だが、弾いてみて、正直なところ、困った。
 あれこれ調べてイメージしていたモノとそれほど違いはなかったが、やはりこの楽器、おそろしく個性が強い。
 多弦ベースを弾いたことのある方ならわかると思うが、4弦ベースの延長線上にある楽器にも関わらず、妙にとっつきにくいところがある……というあの感じ。
 弦が増えたとか、ネックが太いとか、半端なアンプじゃまともに下の音が出ないとか……。
 基本的に6弦ベースの感覚さえあれば、それほど違和感はないと思う。
 自分も、1年ほどBossaの6弦を弾いていたせいで、ネックの太さ自体はあまり苦ではなかった。しかし、ほぼ同じネックの幅に8本も弦が詰まっているので、ピッチが狭い。ほぼギターのピッチと同じ。6弦もミュートはたいへんだが、Warr Guitarの場合は、もっとたいへん。なにせちょっと触れただけで音が出てしまうもんだから、きっちりミュートしておかないとダメ。でも、両手を使うという弾き方を考えると、必ずどちらかの手のひらなり指でミュートしておけば良いので、わりと簡単かも。
 楽器屋さんの店頭で、試奏させてもらったが、アンプのセッティングに苦労したせいもあって、まあこんなもんか、という感じで終わる。
 楽器の作り自体は非常に良くて、バランスもばっちり。
●家に戻って、さてストラップをつけてみる。
 ロック式のやつで、これなら絶対外れない。
 けど、これどうやってぶらさげるんだ?
 Stickの場合、ベルトフックと、右手の脇の下を通す専用のストラップを使って固定してタッピングのベスト・ポジションに楽器を固定できる。
 ちょっと頭を柔らかくして、「ああこれか」という位置に。
 ほとんど、楽器をぶらさげてるみたい。
 ボディはかなり低い位置にくるが、ほぼフレット上で演奏することになるので、問題はなし。あまり上になると、スイッチやノブが邪魔になるので演奏中に触れる可能性が出てくるので危険。
 楽器屋さんにあったモノよりも貧弱なシステムで音を出してみると、やっぱりレンジが広すぎてまともな音が出ない……。
 どうにかこうにかベストに近いセッティングを見つけてしばし浸ってみる。
 タッピングはもちろん、ピッキングでもちゃんと音が出る。
 コンプレッサーちょっと深めにかけて、コーラスを浅くしてやると、わりといい感じになります。
 最後に残った問題は……どこでどう使うか……である。

課題?

●アンプ・システムは覚悟すべき。
 キーボード並のレンジがあるので、まとなベースアンプでもきちんとこの音を再現するのは厳しいです。
 あえてセッティングするならドンシャリにしましょう。
 あとは、個人の好みで合わせるしかないですね。
 ベースとして使うのか、ギターとして使うのかでも変わってきますが、ライブハウスなんかではPAに直結して、うまくモニターしたほうが良いでしょう。
 バンドのアンサンブルの中で、納得のいく形を見つけるのも重要です。
●消耗品はどうするか?
 弦は専用のセットがあるので、高くても我慢しましょう。
 ゲージの太いほうならベース弦で代用はできると思いますが、ゲージの細いプレーン弦のほうは、このスケールに合う物はほぼ入手不可能とのこと。
 たぶん、楽器本体よりも入手しやすいはず……。
※神田商会さんの取り扱いがなくなったとの情報あり。
 個人的にはghsの6弦ベースセット+ghsのバラ弦で代用してます。

メンテナンス

●ある程度自分でメンテナンスが出来る自信のある方以外は、ちゃんとしたメンテの出来るお店に頼んだほうがいいと思います。
 多弦ベースのメンテのノウハウのある方にお願いするほうがいいですね。

総括

●King Crimsonであの音を聴いたことのある方で、めちゃくちゃ気に入ってしまった方なら是非触って欲しい楽器ですね。
 あと、普通のベースやギターに飽きてきた方向けか?
 ちょっと違うアプローチを考えているなら、購入を検討しても良いかも。
 12弦のほうは触ったことがないので、なんとも言えませんが、8弦に関する限りギター、ベースからの移行もわりと簡単だと思います。
 あとは、トライするのみ!

購入に関してのアドバイス

●気の利いた楽器屋さんなら、もしかするとポツンと置いてある可能性はあるが、なにせ物が少ないので(輸入代理店の方の話だと、まだ30本ぐらいしか入ってないらしいです。今回の8本は2回目の入荷らしい)、そんなことはまず希でしょう。
●完全受注生産が基本なので、本当に手に入れたいと思うのなら、多少時間とお金がかかったとしても、きちんとオーダーしましょう。英語力に自信があるなら、直接Warr Guitarsにオーダーすることも可能です。たしか、クレジットカードも使えるはず。
●個人輸入の煩わしさがイヤなら、近所の楽器屋さんに注文しましょう。
 コスト的には、倍近くなりますが、確実かつ安心。
 輸入代理店は神田商会さんです。注文するときに、神田商会さんの名前を出せば、たぶん話は早くなると思います。
※と、上記のように書きましたが、現在輸入代理店の神田商会さんも取り扱いをやめてしまった模様。
 直接交渉あるのみ?


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